DISEASE

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動悸

「動悸」とは、ふとした瞬間に自分の鼓動を強く感じたり、胸がドキドキしたりする感覚のことです。私たちは普段、心臓の動きを意識せずに過ごしていますが、心拍数が増えたりリズムが乱れたりすることで、この違和感を自覚するようになります。動悸の原因は、ストレスや疲れといった日常生活によるものから、心臓や肺、ホルモンの異常といった治療が必要な病気のサインまで、多岐にわたります。

こんな症状はありませんか?

動悸の感じ方は人によってさまざまです。ご自身の感じている「ドキドキ」が、以下のどのような状況や感覚に近いかを確認してみてください。

  • 安静にしているのに、突然心臓が速く打ち始める
  • 心臓の鼓動が一定ではなく、時々脈が飛んだりリズムがバラバラになったりする
  • 胸の中で心臓が力強く「ドクン」と大きく打ちつけるような感じがする
  • 階段を上ったり少し速足で歩いたりしただけで、動悸がなかなか収まらない
  • 寝ようとして横になったときに、自分の心拍が大きく聞こえて気になる
  • 急に目の前が暗くなるようなめまいや、冷や汗と一緒に強い動悸が起こる
  • 何かに驚いたわけでもないのに、胸がザワザワして心拍が急激に上がる
  • お酒を飲んだ後や、コーヒーをたくさん飲んだ後に、胸が波打つ感じが続く

この症状が考えられる主な原因

動悸が起こる背景には、生活習慣や精神的な負担など、多くの要因が複雑に絡み合っています。

  • 精神的なストレスや緊張:強い不安や緊張を感じると自律神経のバランスが崩れ、心拍を速める指令が出されます。これにより、特に激しい運動をしていない時でも心臓がバクバクと動くのを感じやすくなります。
  • カフェインやアルコールの摂取:コーヒーやお酒に含まれる成分は心臓を直接刺激したり血管を広げたりする作用があります。これによって一時的に脈が速まり、不快な鼓動として自覚されることがよくあります。
  • 睡眠不足や過労の蓄積:体が十分に休まっていないと、心臓の動きを調整する神経が過敏な状態になります。その結果、少しの刺激や体調の変化で心臓が過剰に反応し、動悸として現れやすくなります。
  • お薬による影響:風邪薬や喘息の吸入薬、一部の漢方薬などには心拍を上げる成分が含まれていることがあります。新しく薬を飲み始めてから動悸が気になるようになった場合は、その薬の影響が考えられます。
  • 脱水状態や水分不足:体内の水分が不足すると、血液の量が減り、心臓は少ない血液を全身に回そうとして回転数を上げます。夏場の暑い時期や激しい運動の後、あるいは高齢の方では特にこのタイプの動悸に注意が必要です。
  • 女性ホルモンの変化:更年期や妊娠中などは、体内のホルモンバランスが大きく変動し、それに伴い自律神経が乱れやすくなります。これにより、突然の動悸やほてり、発汗といった症状がセットで現れることが珍しくありません。

このように、動悸は私たちの心身の状態を映し出す鏡のような症状です。まずは生活習慣を振り返り、思い当たるきっかけがないかを探ることが解決の第一歩となります。

症状に関連する疾患

動悸がきっかけで見つかる病気は心臓の病気だけでなく、呼吸器や生活習慣病まで多岐にわたります。

  • 不整脈:心臓を動かす電気信号が乱れて、脈が速すぎたり不規則になったりする状態で、動悸の最も代表的な原因です。
  • 心筋梗塞:心臓の血管が詰まって筋肉に血液が届かなくなる病気で、激しい胸の痛みや冷や汗とともに強い動悸を伴います。
  • 気管支喘息:空気の通り道が炎症で狭くなる病気で、呼吸が苦しくなると酸素不足を補おうとして心拍数が上がります。
  • 咳喘息:ヒューヒューという音はなくても激しい咳が続く病気で、咳による負担や酸素不足から動悸を感じることがあります。
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患):長年の喫煙などが原因で肺が壊れる病気で、日常のわずかな動作でも心臓に負担がかかって動悸が起こります。
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS):寝ている間に呼吸が止まることで体内の酸素が減り、心臓に大きな負荷がかかるため、夜間や朝方の動悸の原因となります。
  • 肺炎:ウイルスや細菌の感染によって肺に炎症が起き、発熱や息苦しさと並行して、心臓が必死に動くために動悸を感じます。
  • 気胸:肺に穴が開いて空気が漏れ、肺がしぼんでしまう病気で、突然の胸の痛みと激しい動悸が同時に起こるのが特徴です。
  • 肺高血圧症:肺の血管の血圧が高くなることで心臓に大きな負担がかかり、少し動くだけでも強い動悸や息切れを感じるようになります。
  • 甲状腺疾患:新陳代謝を促すホルモンが過剰に出るバセドウ病などでは、安静にしていても心臓が全力疾走しているような状態になります。
  • 高血圧:血圧が高い状態が続くと心臓の筋肉に負荷がかかり、柔軟性が失われることで脈のリズムが乱れやすくなります。
  • 糖尿病:血糖値が高い状態が続くと自律神経がダメージを受け、心拍数を適切にコントロールできなくなることで動悸が生じることがあります。
  • 低血糖:血糖値が下がると、交感神経が刺激されて冷や汗とともに動悸が起こります。
  • 脂質異常:血液中のコレステロールが高いと血管が硬くなり、心臓への血流が不安定になることで動悸や胸の違和感を招く要因となります。
  • 肥満症・メタボリックシンドローム:体重が重いこと自体が心臓にとっての大きな負荷であり、ちょっとした動作でも心拍数が跳ね上がる原因となります。
  • 貧血:血液中のヘモグロビンが不足すると、全身に酸素を運ぶために心臓が回数を増やして動くため、動悸として現れます。
  • 脱水・発熱:循環血流量の低下や代謝の亢進により、頻脈(脈が速くなる状態)になります。
  • 風邪・インフルエンザ:発熱や激しい咳はすべて心臓への負担となり、体力が消耗することで一時的な動悸を引き起こします。

併せて見られる関連症状

動悸を感じるとき、それ以外の体調の変化が一緒に現れていないか注意深く観察することが重要です。

  • 息切れや呼吸のしにくさ:肺の機能が低下していたり、心臓のポンプ機能が弱まったりしているときに現れやすい症状です。
  • 胸の痛みや重苦しさ:心臓の血管が狭くなっているときや、肺を包む膜に異常があるときに、胸の圧迫感を感じることがあります。
  • めまいやふらつき:脈の乱れによって脳へ送られる血液が一時的に不安定になると、目の前が暗くなるような感覚を伴うことがあります。
  • 冷や汗や手の震え:低血糖状態やホルモンの異常、あるいはパニック的な不安がある場合に、全身に現れる反応です。
  • 足のむくみ:心臓の機能が低下して血液を全身にうまく循環させられなくなると、水分が溜まって足が腫れることがあります。
  • 激しい咳や痰:呼吸器の病気がある場合はもちろん、心臓の機能低下によって肺に血が滞ることでも咳が出やすくなります。

これらの症状が重なって現れる場合は、背景に何らかの病気が隠れている可能性がより高まります。特に、安静にしていても治まらない胸の痛みや、意識が遠のくような感覚がある場合は、速やかに受診してください。

健やかな鼓動と安心を取り戻すために

動悸は日常の疲れから重大な病気まで、さまざまなサインが入り混じって起こる症状です。当院では内科全般・呼吸器の両面から、お一人おひとりの症状の原因を丁寧に見極めてまいります。ささいなドキドキや不安を放置せず、どうぞお気軽に当院までご相談ください。