MEDICAL

診療案内

CPAP療法について

睡眠の質が“日中の冴え”や”感情のムラ”を左右する ─ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスク

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりすることを繰り返す病態です。多くの場合、大きないびきや、息苦しさで目が覚めることで家族に指摘されて発覚します。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は単なる睡眠の質の低下に留まらず、全身の健康に深刻な影響を及ぼすため、早期の診断と治療が重要です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは? 放置すると怖い症状と全身への影響

睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって睡眠が分断されると、体と脳が十分に休めず、日中の活動に大きな支障をきたします。

  • 主な日中の症状
    強い眠気、起床時の頭痛、集中力や記憶力の低下、慢性的な倦怠感などが挙げられ、これにより仕事の効率が低下したり、居眠り運転など重大な事故を引き起こすリスクが高まります。
  • 重症化のリスク
    睡眠中の無呼吸は、酸素濃度の低下とストレスホルモンの増加を引き起こします。これが交感神経を優位にし、高血圧、糖尿病、不整脈、心筋梗塞、脳卒中といった重篤な心血管疾患の発症リスクを顕著に高めることが指摘されています。

当院の睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療への取り組み

当院は、咳や息切れなどの慢性症状に加え、睡眠中の呼吸の不安にも専門的に向き合っており、呼吸器の病で苦しむ方を一人でも減らすことを目指しています

当院の専門的なアプローチは、呼吸器疾患に関する深い専門知識と知見を診療の基礎としています。この知見に基づき、重篤な合併症や併存疾患により十分な治療が困難なケースがあることを踏まえ、「病気が悪化する前に患者様の体を整える医療」の提供に内科診療を通じて注力しています。

CPAP治療は、睡眠中の呼吸を安定させることを出発点として、高血圧などの全身の合併症を予防し、患者様の将来的な健康とQOLの維持に貢献する重要な予防医療の中核です。当院では、呼吸器の専門的な診断力と、合併症を見据えた内科的な総合力を活かし、患者様一人ひとりの全身リスクに応じた治療計画を提供しています。

CPAP(シーパップ)療法とは:空気で気道を確保する治療の仕組み

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群、特に中等度から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する治療法として、現在最も広く普及し、確立された治療法です。

CPAPの基本原理:空気圧で気道を確保する仕組み

CPAP療法では、就寝時に専用のマスクを装着し、小型の装置から鼻を通して気道へ一定の圧力の空気を送り込みます。この空気圧が、睡眠中に舌根や軟口蓋(のどの奥)の筋肉が弛緩して気道が狭くなったり塞がったりするのを防ぎます。この空気圧によって、一晩中安定的に気道が開いた状態を保たれます。

CPAP治療の仕組みと主な目的

項目説明 (簡潔)治療対象
CPAPの原理睡眠中にマスクから空気を送り込み、圧力をかけて気道の閉塞を防ぎます。呼吸の安定化、いびき・無呼吸の軽減
治療適応主に重症の睡眠時無呼吸症候群の方が保険診療の対象となります。判定基準は、現在は簡易検査でAHI 40以上(またはPSGでAHI 20以上)ですが、2026年6月からは簡易検査でAHI 30以上(またはPSGでAHI 15以上)へと変更されます。日中の生活の質の改善、合併症リスクの低減

CPAP療法がもたらす生活と健康へのメリット

CPAP治療を毎晩継続し、安定した呼吸を確保することで、短期的な生活の質の改善(QOL向上)と、長期的な健康リスクの低減という、日々の快適さと将来の健康を守る二つのメリットが得られます。

  • QOL(生活の質)の改善: 睡眠中の無呼吸が解消されることで熟睡できるようになり、日中の強い眠気や疲労感が大幅に軽減されます。
  • 合併症リスクの軽減: CPAP治療は、高血圧や心臓病、脳卒中といった、生命予後に関わる重大な合併症の発症リスクを低減させる、最も重要な手段の一つです。

当院で進めるCPAP治療の流れ

当院では、患者様の身体的・時間的な負担を最小限に抑えつつ、正確な診断と治療の開始、そして無理なく継続できる環境づくりを重視しています。

STEP 1: まずは専門的な問診と簡易検査

いびきや日中の眠気、集中力の低下など、睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状について、まずは丁寧な問診を行います。

  • 簡易検査の実施: 多くのケースでは、ご自宅で携帯式の装置(指先センサーや呼吸センサー)を装着して一晩の睡眠データを測定する「簡易検査」から開始します。これにより、入院の手間をかけず、迅速に無呼吸・低呼吸の程度を判定します。

STEP 2: 正確な診断と治療方針の決定

簡易検査の結果、AHI(無呼吸低呼吸指数)が重症の基準に該当すると判断された場合、CPAP治療の適応となります。

  • 専門医による厳密な診断: 当院では、呼吸器の専門知識に基づき、気道の構造的な病態も見据えた厳密な診断を行います。これにより、CPAP治療が最適であるか、あるいは口腔内装置(マウスピース)や、稀に手術が必要となる構造的な問題(扁桃肥大など)がないかを確認し、CPAPの適応を厳密に判断します。
  • 他の治療法の検討: CPAP治療の対象とならない軽症例や、CPAPが困難な方に対しては、マウスピース治療を行う専門歯科や、手術が可能な専門病院への連携・紹介を適切に行います。

STEP 3 & 4: 装置の導入と安心の長期フォローアップ体制

CPAP治療の効果を最大限に引き出し、長期的な健康メリットを実現するためには、毎月の継続的な使用と管理が不可欠です。当院はこの継続性を徹底的にサポートします。

  • 患者様に合わせた装置の選択: 患者様の顔の形や睡眠時の快適性を考慮し、最適なマスクの選択とフィッティングを行います。
  • 全身管理の徹底: 月に一度の定期受診では、CPAP装置の使用状況や呼吸データの改善状況を確認するだけでなく、内科医として高血圧や糖尿病などの合併症の有無やコントロール状況を確認します。
  • 未来への伴走: 治療後の継続的な健康を支えるため、食事、運動、睡眠など、日常の生活習慣に関する具体的な予防的なアドバイスを提供し、患者様の健康のパートナーとして寄り添います。

当院が選ばれる理由

高度な専門性に基づく確かな診断力

当院の診療は、高度な専門知識と豊富な臨床経験に基づく質の高い診療体制によって支えられています。

  • 呼吸器構造の深い理解: 当院は、呼吸器外科分野で培われた高度な専門知識を活かし、質の高い診療を提供します。睡眠時無呼吸症候群が気道の物理的な閉塞によって生じる疾患であることを踏まえ、呼吸器の構造と病態を深く理解した専門的な視点から、正確な診断とCPAP治療の適応判断を行います。
  • 充実した検査体制: 長引く咳に対する呼吸機能検査はもちろん、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易検査にも院内で迅速に対応できる体制を整えており、早期に正確な診断に基づいた治療方針を決定できます。

合併症まで見据えた包括的な内科的アプローチ

当院は、単に呼吸器の症状を治すだけでなく、将来の健康とQOL向上を目指した予防医療に注力しています。

  • 予防医療への注力: CPAP治療の管理と並行し、心血管疾患をはじめとする合併症の予防と全身管理を徹底します。当院が大切にする「悪くなる前に体を整える」という医療方針に基づき、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた生活指導や予防医療への取り組みを継続的にサポートします。
  • 信頼と安心のコミュニケーション: 専門的な内容もわかりやすい言葉で丁寧に説明し、治療方針は患者様と医師・スタッフが一緒になって選択します。受診前から治療後まで、患者様の抱える心理的な不安を軽減し、安心と信頼を築く医療を提供します。

継続的な安心を支える体制と利便性

CPAP治療は継続的な受診が成功の鍵となります。当院は、忙しい患者様が治療を中断することなく続けられるよう、通いやすい環境を整備しています。

  • 駅直結の便利な立地: 辻堂駅前というアクセスに優れた立地であり、通勤・通学の途中や、お仕事の合間にもスムーズに通院いただけます。
  • Web予約システム: 待ち時間を極力減らし、体調が優れない時でもスムーズに受診できるよう、Web予約システムを導入しています。

CPAP療法と費用について

睡眠時無呼吸症候群の検査と治療には、健康保険が適用されます。

  • 保険適用: 睡眠時無呼吸症候群の簡易検査およびCPAP治療は、健康保険が適用されます。
  • 費用の目安: 3割負担の方の場合、簡易検査の費用は3,500円程度です。また、CPAP治療の月額費用は、診察料を含めて5,000円程度が目安となります。
  • その他の注意点: 検査の結果、より詳細な入院検査(PSG検査)が必要と判断される場合や、マウスピース、手術などの他の治療法が適応となる場合があります。当院は、必要に応じて適切な専門施設への連携・紹介を行います。